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2015年8月8日土曜日

水力発電に適していますか?

「私が所有する土地の横に、小さな農業用の用水路があります。
ここで水力発電が出来ないでしょうか?」

数年前にお会いした方から、突然こんなお話がありました。


『日本の地形は、水力発電に適しているよ。』
よく、そんなことが言われています。

ところが、メガソーラー発電はそこらじゅうで見かけますが、マイクロ水力発電なんて実験で見るくらい。常設されているものなんて、見たこともありません。いったいどこにあるのでしょう?




水車(水力発電)を設置するためには、クリアーしなければいけない課題がたくさんあります。
水利権の問題に限らず、どこでも簡単に水車を設置出来るわけではありません。

水車で発電するためには、いったいどれくらいの水量と落差があれば、良いのでしょうか?
500whの発電能力があれば、戸建て住宅一軒分の電力が賄えると言われています。



手始めに水量と敷地内を流れる川の落差を調べてみましょう。

◇ 水量の測定方法

水量は、1秒間に流れる水の量を測定する事で求めることが出来ます。

勿論水力発電を設置するためには、正確な数値が必要です。その時には専門家にきちんと測定してもらいましょう。
発電が可能かどうかを知るためですから、ここでは簡易的な測定をします。

①川幅と水深を測る。
②流速を測定する。
この2つを調べるのですが、コンクリートで作られた水路なら簡単に結果を出すことができます。しかし、自然に作られた水路は川幅も水深も流速も測る場所で全く違ってしまいます。
こまったもんだ・・・

ザックリですから、川幅と水深は平均値ということでよいでしょう。
流速は、その辺に生えている葉っぱなどを川に流して求めることができます。・・・が、自然の川は大変難しいです。
出来るだけ安定した流れの場所を見つけるしかありません。
計測には出来る限り長い距離を流して、流速を求める必要があります。





<結果>
川幅120cm 水深20cm
出来るだけ穏やかで安定した流れの場所を3m。この間葉っぱが流れる時間を測ります。
3m流れる時間は10〜12秒。
300cm(3m)÷11秒(平均値)≒27.27/毎秒

単位をcmとしたのは水量をLで求めるからです。
一般的な水力発電機の水量は㎥で表示されていますがマイクロ水力発電の場合は、毎秒何リットル必要と表示されています。(※1㎥=1000L)

計算は簡単です。
120cm×20cm×27.27cm÷1000(1L=1000cm3)=65.448L

この川の水量は、毎秒約65Lあることになります。

◇落差の測定方法

敷地に沿って流れる農業用用水路の落差を測ります。
どうやって図る?

測定器があればよいのですが・・・僕は持っていません。

じゃぁ、目測!

って、これではあまりにもザックリなので、測定器を作りましょう。


使うものは水平器とレーザーポインター。
水平器の上にレーザーポインターをビニールテープで固定します。
これで測定器の完成です。





出来るだけ広い範囲を見渡せる場所に水平器を乗せる台を設置します。
ここでレベルは出すのは当然ですね。水平器を乗せる台を水平にします。




計測ポイント近くに、レーザー光を照射します。
そしてレーザーポインターの明かりから水面までの距離を測ります。




目標物が無い時には、測定したい方向に光を照射して、直接水面からの距離をスケールで
測定します。

流れる川の数か所で水面レベルを測定し、全体の落差を求めました。

その結果、有効落差は2.95mありました。

いったいこれで、どれくらいの発電能力が有るのでしょうね?

えっ?「大したことないだろう!」・・・って!

あるメーカーのホームページに、こんな公式がありました。


水量(㎥)×有効落差(m)×9.8(重力加速度)×総合効率(60%で計算)

ここは、水量65L/s、有効落差は2.95mです。

計測結果をこの公式に当てはめてみます。

0.065×2.95×9.8×0.6=1.12749

もしこの用水路の能力を最大限に生かせるなら、最大1.1kwの発電が可能になります。

ここはどこにでもありそうな、小さな用水路・・・・・川幅は1m水深は20cmです。

続く・・・





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