山の中にある田んぼ。
農耕車が走る道と幅30cmの用水路は、日本中どこでも見かける景色です。
友人は、仕事を持ちながら稲作を続ける兼業農家です。
なのに、わざわざ手間のかかる有機農業の道を選びました。
もちろん農薬なんて使いません。
でもそのためには、野生動物との戦いも避けて通れません。
水田に発生する雑草は合鴨君たちに食べてもらいます。
これで、除草剤はいらないことになります。
でもこのひ弱な合鴨君たちは、常に野生動物たちに狙われることになるんです。
だからと言って、いつも監視しているわけにはいきません。
カラス・鷹・鷲・トンビ・フクロウなど空からの攻撃を避けるため、水田の上にはテグス(釣糸)を張り巡らし、周りからの侵入を防ぐためには、ネットと電気柵を取り付けます。
これだけでも気の遠くなる作業です。
ところで・・・以前ニュースにもなりましたが、電気柵ってどんなものかご存知ですか?
通電中人間が柵に近づかないように、こんな表示を見ることが有ります。
でもきちんと販売されている電気柵は、人間が誤って触ってしまっても電気火傷は勿論、死亡事故を起こすようなことはありません。
僕も何度か感電した経験がありますが、今も無事生きてます(笑)。
『だからと言っても、電気柵の周りには近づかないように注意しましょうね。』
電気柵って言うくらいですから、電気が必要なのは当たり前です。
殆どの場合、電気柵は電源の無い家から少し離れたところで使われています。
基本は、電気柵本体に乾電池を入れて使います。
説明書では、単一電池8本(1.5V×8=12V)で1ヵ月ほど使えると書いてありますが、電池の能力が弱くなり野生動物に侵入され農作物を食い荒らされてしまうことも良くあることです。
ですから、安定した電源が必要になるわけですね。
電池をまめに交換するのも一つの方法ですが、廃棄ゴミが増えてしまいます。
ソーラーパネルを電源にする(キットも販売あり)のが一番簡単ですね。自分でやれば安上がりです。
この水田で使う電気柵の電源は、農業用の用水路を使います。
幅30cm×深さ30cmの農業用用水路は、どこにでもある(日本中)用水路のサイズなんでしょうね、ハブダイナモを使った直径30cmの水車で発電します。
今朝の時点では、10mAから30mAの充電電流でしたが、水車の位置を1m程変えてみたら100mAまで増えてくれました。
電気柵は、毎時25mA程度の電流消費ですから、これだけあったら十分です。
今回も言われました。
『水力発電に適した落差があるから、これだけ発電出来たんです。つまり場所が良かったんですよ。どこでも発電できるわけじゃありません。』
ほんとにそうですか?
冒頭の写真見て気付きませんか?
農道が有って、水路が有って・・・
どこにでもありそうな景色ですね。水田が5枚あれば、5か所以上の段差が有ります。
水田横を流れる用水路は、田んぼに水を引き込むために作られています。
流れが早すぎると、田んぼの入り口を荒らしてしまい、あまりよろしくありません。
そんなことから、流速を落とす工夫がいたるところでなされています。
必ずハブダイナモ水車を設置できる場所は有るはずです。
でもやっぱりと言うなら、ソラーパネルを使いましょう。
こんなモノでも十分ですが、手作りはお薦めしません。
材料費1枚250円のソーラーモジュール3枚で750円。これを2セットで1500円です。
4Wで12Vのバッテリーに充電できるパネル(京セラ製)でも、1300円くらいで販売されています。
テストを兼ねているので、電流計や電圧計を接続していますが、自動車用バッテリーの新品(安いところなら2500円前後)と合わせても4000円くらいで電源ができてしまいます。
これで、合鴨君たちは安心して草を食べてくれます。
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